事業内容

村田製作所の挑戦、金沢村田製作所の役割

ムラタはこれまで、エレクトロニクス産業の発展とともに成長してきました。これからの社会では、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT(Internet of Things)」が進み、膨大な情報(ビッグデータ)がサイバー空間に集められます。その情報をAIが分析し、ロボットなどを通じて私たちの暮らしに活かされる「Society 5.0」という新しい時代がやってきます。
みなさんにとって身近なスマートフォンをはじめとした通信分野でも、超高速・多接続・低遅延を実現する5G、そして次世代の6Gに向けて、より高機能な部品が高密度で搭載されることが求められています。
これまでにない新たな価値が生まれ、産業や社会そのものが大きく変わっていく中で、金沢村田製作所はムラタグループの中核拠点として、IoTやIoE(Internet of Everything)の実現に貢献していきます。

ムラタの活躍分野

ムラタの部品は、どこにあるのでしょうか。例えば、あなたのスマートフォンの中にあります。スマートフォンにワイヤレスイヤホンがつながるのも、インターネットにつながるのも、電子部品があるおかげです。スマートフォンに限らず、電気で動くほとんどのモノにムラタの部品は入っています。ムラタは本当にあなたの身近にいるのです。

電子部品が使われている分野の例として、ロボット・産業危機、自動車、エネルギーマネジメント、スマートフォン・PC、AV機器、ヘルスケアなどがあります。

金沢村田製作所の強み

金沢村田製作所では、製品をつくるために、髪の毛1本の1/100 程度の細さである1マイクロメートル(1μm)よりもさらに細かいレベルでの加工が求められます。こうした微細な加工を可能にするのが「薄膜微細加工技術」であり、これが当社の大きな強みです。
このようなサブミクロンレベルの精密な加工を行うためには、空気中のホコリやチリを極力排除した「クリーンルーム」と呼ばれる特別な環境が必要です。金沢村田製作所では、ほとんどすべての工場棟にクリーンルームを完備していることが大きな特長です。
このような設備環境により、金沢村田製作所はムラタグループの中でも特に高度な微細加工が必要な製品を製造する、“微細加工の中核工場”として重要な役割を担っています。

サブミクロンオーダーの微細加工に欠かせないクリーンルーム

薄膜微細加工技術を使用してちいさなちいさな電子部品を製造しています

製品紹介

高周波デバイス

私たちが開発・製造しているSAWフィルタをはじめとする高周波デバイスは、スマートフォンやWi-Fi機器など、通信を行う端末に欠かせない重要な電子部品です。
私たちの身の回りには、目には見えませんが、さまざまな周波数の電波が飛び交っています。通信を行うためには、その中から必要な周波数だけを選び出し、不必要な信号を除去する必要があります。高周波デバイスはまさにこの役割を担っており、これらの技術がなければ、スマートフォンやWi-Fi機器は正確に通信することができません。
世界中でスマートフォンや通信機器の需要が増える中、とくに中国やインドなど新興国市場でも高周波デバイスのニーズは高まっています。ムラタはこの分野で世界No.1のシェアを持ち、グローバルな通信インフラを支えています。
さらにムラタは、SAWフィルタだけでなく、デュプレクサ、ダイプレクサ、共振器、周波数制御装置など、幅広い無線通信部品も開発し、世界中のメーカーに提供しています。高い技術力と最新鋭の生産設備により、品質・性能・コストのすべての面で高い評価を得ています。
私たちの高周波デバイスは、みなさんが毎日使っているスマートフォンをはじめ、さまざまな通信機器の「つながる」を支えています。

SAWフィルタとは

弾性表面波フィルタ(弾性表面波=Surface Acoustic Wave) のこと。読み方は「ソウフィルタ」。「弾性表面波」とは、物質の表面を伝搬する波のことで、この特性を応用したフィルタがSAWフィルタです。

SAWフィルタ商品紹介動画はこちら
極小サイズの製品に当社の技術が詰まっています

メトロサーク™

私たちが開発した「メトロサーク™」は、回路基板の中を3次元で自由に配線できる新しい樹脂多層基板です。従来の基板に比べて、より複雑でコンパクトな電子機器の設計が可能になります。名前は、基板内を走る配線の様子を地下鉄(メトロ)に例えたことに由来しています。
メトロサーク™の最大の特長は、ムラタが培った多層積層技術と独自の高機能樹脂を融合している点です。これにより、高周波信号でもロスが少なく、スマートフォンやタブレットなどの高速通信機器に最適です。また、レーザーカットや曲げ加工に対応しているため、2次元・3次元の複雑な形状にも簡単に対応できます。折り紙のように自由に曲げても形を保てるので、製品の組み立ても効率的です。
さらに、薄くて高密度な基板を作れるため、機器の小型化や省スペース化にも貢献します。特別な樹脂を使っているので、湿気や水にも強く、信頼性の高い製品づくりが可能です。
メトロサーク™は、これからの新しい電子機器づくりに欠かせない基板です。最先端技術に興味のある方は、ぜひ私たちと一緒に未来のモノづくりに挑戦しませんか?

折り紙のような基板 メトロサーク™

メトロサーク™は、細密なパターン形成が可能であり、自由にビアホールを形成できる折り紙のような樹脂多層基板です。

メトロサーク™ 2次元・3次元での複雑形状保持の実現

メトロサーク™は、レーザカットによる切り出し、3次元の曲げ加工とその形状保持が可能であり、複雑な2次元、3次元の形状設計を実現します。 メトロサーク™が持つ特長のうち、曲げ加工とその形状保持について動画でご紹介します。

センサ

私たちのセンサは、スマートフォンやスマートウォッチ、自動車、そして最先端のロボットなど、世界中のさまざまな機器に搭載されています。自動運転など高度な技術が求められる自動車や、進化を続けるモバイル端末、精密な動きが必要なロボットなど、幅広い分野で活躍しています。
これらのセンサは、「3D MEMS技術」と呼ばれる、非常に細かな加工技術によって作られています。
私たちのセンサは、みなさんの毎日の「便利な暮らし」や「安心・安全」をしっかりと支えています。

MEMS技術とは

MEMS(メムス)技術とは、「Micro Electro Mechanical Systems(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システムズ)」の略で、日本語では「微小電気機械システム」と呼ばれています。
これは、髪の毛よりもはるかに小さいレベルで、電気回路(電子)と機械の仕組み(メカ)をひとつのチップの中に作り込む技術です。たとえば、スマートフォンの中の小さな加速度センサやジャイロセンサなどが、MEMS技術で作られています。
この技術によって、とても小さくて高性能なセンサや部品を作ることができ、スマートフォンや自動車、ロボットなど、さまざまな最先端機器に使われています。

ジャイロセンサ

ジャイロセンサは、機械や機器の「動き」や「向き」を正確に感知するための重要な部品です。自動車や建設機械、産業用ロボットなど幅広い分野で活用されており、特に自動車の安全性向上や自動運転の実現には欠かせないキーパーツとなっています。
私たちは、産業機器用からコンシューマー用まで、用途に応じた最適なジャイロセンサを開発・製造しています。当社のジャイロセンサは、最先端の3D MEMS技術と高度な集積回路技術によって作られており、高性能でありながら、従来は高価だった製品と同等の性能をリーズナブルな価格で提供できることが大きな特長です。

気圧センサ

気圧センサは、空気の圧力や高さの変化を検出するセンサで、スマートフォンやスマートウォッチ、ドローンなど、さまざまな機器に使われています。
私たちが開発する気圧センサは、静電容量方式という技術を用いて設計されており、低消費電流・低ノイズを実現しています。また、温度変化があっても安定した性能を保てるのが大きな特長です。

土壌センサ

土壌センサは、農業や水環境の分野で「土」や「水」の状態を継続的に見守り、データとして“見える化”するためのセンサです。3つのセンサがひとつのパッケージに内蔵されており、EC(電気伝導度)、Moisture(体積水分率)、Temperature(温度)を土壌中、水中で同時に計測することができます。
この土壌センサは、屋外の厳しい環境にも耐えられる丈夫な構造を持っているため、農業現場での土壌の温度・水分・肥料量の管理や、灌漑システム(農業用の水やり)のコントロール、さらには河川や湖沼などの水質モニタリングにも幅広く活用されています。

先進運転システム、Maasやスマート農業に貢献する高精度な6軸ワンパッケージ慣性力センサSCHA600

全地球測位システム(GPS)の信号が届かない場所、カメラやレーダが十分に機能しない劣悪環境でも、車の位置や方向を正確に特定できる慣性力センサの特長をご紹介します。

産業機器用6軸慣性力センサSCHA63T

過酷な環境でも位置制御、姿勢制御を可能とする6軸慣性力センサ。その特長や用途をご紹介しています。