BUSINESS
商品開発の業務内容と流れ
商品開発部では、サイズ・構造・特性が異なる、多岐にわたるMLCC(積層セラミックコンデンサ)を開発しています。とくに近年は、IoTの進歩に伴う電化製品の小型化・高機能化が進んでおり、それに搭載される部品も小型化や大容量化が求められています。
私は主にスマートフォンに用いられる小型MLCCの開発を担当しています。お客様の要求仕様を満足する商品を作るため、商品仕様の検討や材料・工法設計の最適化に取り組んでいます。
ROLE
部門横断の取り組みで、難易度の高い開発を実現
商品開発部では、スマートフォンや車、宇宙関係など、多様な市場に向けてさまざまなMLCCの新商品を開発しています。そのなかで私が担当しているのは、スマートフォン向けの小型サイズの新商品開発です。皆さんもご存じのとおり、新型スマートフォンはおよそ一年に一回のペースで発売され、つねに機能の進化が謳われています。そのためには、搭載される部品のパフォーマンス向上も不可欠であり、MLCCとしても絶えず新しいスペック・サイズの商品が求められているのです。
そうした需要に応える取り組みとして、私たちは部門を横断したCFT(クロス・ファンクショナル・チーム)で評価前の入念なリスク分析を実施しています。それによって評価の見落としや手戻りを防ぎ、効率的な評価進行を実現しています。要求仕様が高まるほど、開発難易度は上がるものです。いろいろな課題と直面する機会も増えますが、商品化活動7年で得た自身の経験・知識や関連部門からの幅広い知見を活かしながら、チームとして困難を乗り越え、開発活動に従事しています。
1日のスケジュール
8:20
出社。今日のスケジュールやメールを確認
9:00
実験計画立案や実験流動立ち会い。関連部門との会議も
13:00
食堂にて同僚との会話を楽しみながら昼食
14:00
実験結果のまとめ・考察。メンバーへ結果を共有し、レポートを作成
16:50
退社。帰宅後は動画や配信を見ながらお風呂でのんびりと
EFFORT
目の前の現象をよく理解することが、よりよい商品を生む
商品化活動を進めるなかで意識しているのは「現物をよく見て現象を理解すること」「良い結果だけでなく悪い結果も押さえること」です。種々の設計変更をするなかで、商品設計や加工条件の変更によりMLCCの状態が変わると、発現する特性や信頼性も変化していきます。この「状態の変化をとらえること」は、日々の実験の再現性を高めるうえでも、量産化したときの安定性においても、非常に重要な要素です。
また、商品設計では「こうすればうまくいく」という一点だけを押さえるのではなく「ここからここまでの範囲であればうまくいく」という領域を示すのがポイントです。あえて悪い状態を作ってその現象を理解することで、何をコントロールすればよいのかという制御因子がより明確になり、堅牢な設計領域の設定に繋がっていきます。コスト削減という自部署の役割においても、安定性のある量産体制は必須。そのために商品開発担当者として、現象理解への意識と知識の習熟は欠かせません。
GOAL
部門間の連携力を強化し、仕事の幅を広げていくために
商品開発担当になったはじめの数年間は、自らの手が届く範囲でテーマを全うすることに注力していました。しかし、近年では関連部門との部門間連携を主導する機会も増えています。材料や工法の要求仕様を発信したり、製造を含めた関連テーマの全体像を把握したうえでマイルストーンの設定・管理をしたり、といった役目が求められてきているのです。
部門間の連携を円滑に進めるには、適切な課題設定や全体把握のための情報処理力、ビジネス的な視点での影響・効果の理解、そしてそれらを周囲に発信し納得してもらう力が必要になると考えています。今後は一担当者としてだけでなく、関連部門に対するリーダーシップを持った人材になれるよう、広い視野・高い視座で物事を見るスキルを磨いていきたいです。
プライベートの過ごし方
社会人になってからゴルフを始め、学生時代の友人や社内の仲の良いメンバーと、月1回ほどのペースでラウンドを楽しんでいます。緑のなかを歩き回るのはとても気分が良いです。日ごろはデスクワークが多いため、休日にはそのぶん体を動かしてリフレッシュすることが、心身ともに重要だなと感じています。
また、商品開発部内で年一回開催されるコンペでは、メンバーとの切磋琢磨を繰り広げています。