電気系技術者座談会

通信技術の最前線で世界を変える!
村田製作所の電気系技術者が創造する社会インフラの未来

電気系技術者座談会に参加した社員、佐藤さん・荒井さんの写真。

MEMBER

佐藤さんの写真

デバイスセンターネットワーク技術開発部
技術開発課 シニアマネージャー
2001年入社

佐藤さん

大学院で電子工学を専攻した後、2001年に村田製作所へ新卒入社。Bluetoothモジュール事業推進部配属。株式会社福井村田製作所への出向を経て、無線LANモジュール、ミリ波通信モジュール製品開発という、一貫して通信モジュール製品開発、関連技術開発の場に属している。社歴=世の中の通信の発展・世界の変革に、少しは貢献しているのかもしれない。

荒井さんの写真

デバイスセンターネットワーク技術開発部
技術開発課 エンジニア
2016年入社

荒井さん

大学で電気工学を専攻した後、2016年に村田製作所へ新卒入社。入社後は主に高周波のアンテナモジュールの開発に従事。回路設計、基板設計、モジュール評価まで幅広く携わっている。

お二人の所属部署はどんな業務を担っているのでしょうか。

荒井さん

荒井さん

私の所属部署は、モジュールの技術開発部隊です。回路や基板の設計・試作・評価を担当し、私はインフラ向けの高周波無線のアンテナモジュールを開発しています。
モジュールは機器の部品ですが、1個の小さな部品ではなく、複数の部品を組み合わせて1機能を持たせた大きな部品というイメージです。

佐藤さん

佐藤さん

村田製作所は電子部品メーカーとして通信業界への貢献で知られていますが、私たちの部署では、数年先に事業部に必要とされるであろう領域の技術を先行開発しています。当部署の専門は、周波数がより高く5G領域などで使われ始めている「ミリ波」という分野です。

通信の未来を創造していく最前線の開発現場ですね。入社以来、どんな業務に携わってきましたか?

荒井さん

荒井さん

2016年の入社以来ずっとモジュール開発に携わってきました。製品ごとにチームで設計から評価まで幅広い業務に関わります。
業務には「どんなモジュールを作るか」という製品コンセプトの検討もあります。お客さまの要望を踏まえ、盛り込む機能や開発手法などを全て一から自分で考えるので、各部品の知識や製造プロセスなど広範な知見が身に付きます。
村田製作所における開発の醍醐味は、お客さまから言われたことをやるだけでなく、自分の考えを製品に反映させて作れること。考え抜いて作ったものを届けているからこそ、お客さまが納得してくれたときの達成感は格別です。

佐藤さん

佐藤さん

私は2001年の入社です。Bluetoothのモジュール開発から通信領域のキャリアをスタートし、無線LANなどを経て現在はミリ波に携わっています。Bluetoothの周波数は2.4GHz帯で、ミリ波は30GHz帯。たまたまですが、「社歴とともに、扱う製品の周波数が大きくなっていく」というキャリアを歩んでいます(笑)。

技術者として、幅広い製品や担当業務に関われそうですね。

荒井さん

荒井さん

工場やお客さまなど多くの人と関わるので、自分の視野が広がります。多様な視点からの意見やアドバイスを受け、それを理解して取り入れることが自分の成長につながっています。

佐藤さん

佐藤さん

村田製作所だからこそ、さまざまなお客さまから高い期待を寄せられています。珍しい構造の機械を扱うお客さまのモジュール開発では、前例がないなかで試行錯誤してサンプルを作ることもしばしば。だからこそ、機能が成り立った瞬間の喜びは大きいです。私自身も、過去に携帯電話に入れる極小のモジュール開発を行ったときに、従来のデザインルールの範疇を超える設計仕様を提案し、可能な限りの小型化を実現したことがありました。
特に製品の初期段階では、既存の殻を破りながら発想豊かに開発し、「考え抜いて何かを生み出した瞬間」を味わうチャンスが多いですね。

学生時代の専攻内容は、現在の業務でどのように活かされていますか?

荒井さん

荒井さん

大学では電磁界解析の効率化を研究していました。電磁波がどういう挙動をするかをシミュレーションすべく、電磁波の動きの関数や理論式をソフトに反映させるプログラミングを中心とした研究でした。この経験は、意外とモジュール開発や製造に役立っています。
無線通信関連の製品はシミュレーションを用いて設計を進めるため、電磁界解析が有用です。業務に使うソフトの特性や解析結果の妥当性を理解した上で、「ソフトをこう使えばうまく計算結果が出るはず」と先を読んで仕事を進められます。

入社後に新たに習得した技術・知識にはどんなものがありますか?

荒井さん

荒井さん

研究ではソフトを扱っていた一方でハードには触れてこなかったので、入社してからモノづくりのスキルを身に付けています。
例えば、製品の性能を左右する利用時の周囲温度や、落下や熱・静電気などさまざまな負荷に耐えうる信頼性なども、モノづくりの重要なポイントです。開発した製品が工場で形になるプロセスも、実践を通して学んできました。経験豊かな先輩たちにプロセスや構造の懸念点について意見をもらいながら、日々勉強しています。
ある製品の開発では、サンプル製造後に内部で割れが生じるという現象があり、製品特性にも影響することが分かりました。解決策を探る過程で周りの人に意見を求めると「当社のこういう技術を試してみたら?」といったアイデアがすぐに2〜3案提示され、結果的にそのうちの1案が最適解でした。課題解決のアイデアが次々と出てくるのは、メーカーとして長年積み重ねてきた知見があるからこそだと感じましたね。

周りからのフィードバックをもらいながら成長できる環境があるのですね。佐藤さんから見て、技術者としての荒井さんはどのように映っていますか?

佐藤さん

佐藤さん

物事の源流に立ち返ってロジカルに考え、若手だからといって臆することなく自らの言葉で見解を語れる技術者です。基本的にスマートだからこそ、失敗も成功も重ねて成長し続けてほしいですね。
先行開発の初期なら特に、最初からうまくいくことばかりではないので、試行錯誤は不可欠なんです。最大限に思考を巡らせることも大切な一方で、もし失敗しても1人ではなくチームで協力して改善すればいいと思います。いかにスピーディーに情報を共有し、周りを巻き込みながら改善できるか、失敗はその手法を学ぶチャンスです。
幸い当社は知らないことを有識者に尋ねやすい社風で、経験豊富な人ほど周りにフィードバックをするので、助け合いながら業務を進められます。

荒井さん

荒井さん

入社後、まだ質問をためらっていた頃は、OJT*担当の先輩社員のフランクさに本当に助けられました。分からないことを尋ねると「それならあの人が詳しいよ」と教えてくれるので、自ら他部署に聞きに行く姿勢も身に付きました。他部署でも「どの部分で困っているの?」と丁寧に対応してくれたことが印象的でした。

*OJT(On the Job Training): 先輩社員についてもらいながら自身で仕事を進めていく

仕事でやりがいや自身の成長を感じるのはどんなときでしょうか。

荒井さん

荒井さん

自分が設計したものが想定通りに機能すると、一安心すると同時に、アイデアが実現できたことに充実感をおぼえます。また、機能や設計のアイデアをお客さまに話して共感してもらえたときには、考え抜いたことが報われたと感じますね。
大きく成長したのは、「誰が必要な知見を持っているか」を自分で判断できるようになった点です。この課題は工場と話し合うべき、この話はお客さまに伝えてフィードバックをもらうべき、といったように状況や相手に応じてコミュニケーション方法を工夫しながら、考えを発信できるようになりました。
コミュニケーション面での成長は、入社当時の課長の影響が大きいと思います。作った資料を見せると「その方法だと伝わりにくいのでは?」「伝えたい相手は誰?」「どこがポイント?」など具体的に指摘してくれたんです。おかげで、相手の立場や知識量を想定し、理解されやすい伝え方を意識するようになりました。

今後、どんなふうに成長していきたいですか?

荒井さん

荒井さん

通信網の拡大に欠かせない基地局で使われる製品の開発を含め、今後もインフラなどを通じて社会に貢献する製品を作っていきたいです。新しい製品には新しい技術が必要なので、常に新技術に触れ、それをどう世の中で活かせるかを考えながら開発を続けていきたいですね。
その中で、知識と経験を自分の糧にしていくことがポイントだと考えています。蓄積したものを土台に視野を広げ、活躍の場を広げていくことができれば理想です。

佐藤さん

佐藤さん

私たちの先行開発の本質は、「村田製作所だからできること」を通じた社会貢献のために、新しいものを生み出していくことです。荒井のような頼りになる技術者とともに、世の中を変える製品を作って通信の未来に貢献していきたいですね。

部署としての今後の展望を伺えますか?

佐藤さん

佐藤さん

村田製作所は、技術をベースとして文化の発展に貢献することを標榜(ひょうぼう)しています。私たちの技術を使って、世界を変えていけるポテンシャルはいろいろなところにあるんです。
通信業界も、スマートフォンを使った通信・通話から発展して、社会インフラにも高速通信が活用される時代に差し掛かっています。国、地球、宇宙、どんな規模まで及ぶか未知数ですが、壮大なイメージを思い描き「社会を便利にする」「世界を変えていく」ことを考えながら、目に見えるアウトプットを提示していきたいです。

自分の専門性を活かして働きたいと考える理系学生に、メッセージをお願いします。

荒井さん

荒井さん

自分の考えをしっかり持って発信でき、なおかつ相手の意見も丁寧に聞ける技術者が当社で活躍しています。学会での研究発表や趣味の活動の場などで、自分の考えを自分の言葉で発信し、フィードバックを受け取る機会をたくさん作っていってください。そうすることで、相互性のあるコミュニケーションの力を伸ばせると思います。

佐藤さん

佐藤さん

専門性や理想を持って活躍している人は、明るく前向きで、難しい状況でも逃げずにやりきる人でもあります。やりきる力は、仕事でもプライベートでも役立つスキル。勉強やアルバイトなど、学生時代にしかできないことを大いに楽しみながら、しっかりやりきる力を培ってほしいと思います。

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